芸術ピューターピッチャー

フランスアンティーク　P. PLASAIT ピューターピッチャー（1900年初頭）
1900年初頭のフランスアンティーク、P. PLASAIT工房によるサイン入りのピューター製ピッチャーです。
底部には「P. PLASAIT ORFÈVRE（銀細工師）」「ÉTAIN D’ART（アートピューター）」の三角刻印が、側面には工房名のサインが刻まれており、当時の熟練職人の誇りが感じられる作品です。
このP. PLASAIT工房は、20世紀初頭にフランスで活動していた銀器・ピューター専門の歴史ある工房で、実用品の枠を超えた芸術的な造形美「Étain d’art（芸術としてのピューター）」を追求していたことで知られています。
その作風は、当時ヨーロッパ全体で広がりを見せていたアール・ヌーヴォー様式の影響も色濃く感じられます。
特に取っ手部分には、植物の有機的な曲線や装飾モチーフが用いられ、まるで自然がそのまま造形に宿ったかのような優雅さがあります。
全体はふっくらとしたやさしいフォルムで、長い年月を経たピューター独特の鈍い艶が、落ち着いた空気を醸し出します。
また、ピューターは古くから水の浄化作用がある素材として知られており、フラワーベースとして使用することでお花が長持ちすると言われています。
実際に水漏れもなく、実用品としても安心してお使いいただけます。
現在このP. PLASAIT工房はすでに存在しておらず、サイン入りの作品はアンティーク市場でも希少な存在。
芸術性・実用性・歴史性を兼ね備えた、美しいフランスの工芸品として、長くご愛用いただける逸品です。
size：H27.5W18.5下直径8